シックなシルバーブラックの輝きが特徴的なヘマタイトは、古くから血液に関連があるとされ、健康の増進や戦に赴く兵士のお守りとして重宝されてきました。
それ以外にも、持ち主に強い意思の力と勝負強さを与えるとされ、現在でもスポーツ選手などに好まれています。
今回は、そんなヘマタイトについて基本的なデータから伝承、浄化方法、おすすめの組み合わせまでまとめてご紹介します。
ヘマタイト(Hematite)とは
ヘマタイトは酸化鉄でできた鉱物であり、古来より現在に至るまで天然のものも非常に産出量の多いパワーストーンです。
磁気を帯びたものが健康グッズとして販売されていることがありますが、天然のヘマタイトが磁気を帯びることはごく稀で、「磁気ありヘマタイト」の大半は「フェライト」という同じ酸化鉄を主成分としたセラミックス(焼結体)を加工するなど、人工的な処理が施されたものとされています。
すり潰すと赤色になることから和名を「赤鉄鉱」と呼び、顔料にも使用されています。
また、美しいものは宝石として装飾品にも用いられ、「ブラックダイヤモンド」の異名もとっています。
すり潰した際の赤色から連想されたためか、血液・赤血球と深い関係があると信じられ、血行促進や止血のお守りとして親しまれてきました。
また、運動能力や持久力そのものを高める力があるとされ、転じて意思の力や忍耐力、目標を達成するための後押し、勝負強さをもたらすとも信じられています。
ヘマタイトの特徴
パワーストーンとして流通しているヘマタイトは、大半が鏡面仕上げでツヤのあるシルバーブラックのカラーを持っています。酸化鉄が主成分のため、すり潰すと赤い粉末状になります。
血行の促進、ひいては血液の循環による酸素供給量をアップさせると言われ、例えばネックレスとして身に着ければ頭が冴え冴えとして眠気を覚ますなど、装着部位によって作用が異なるとされています。
エネルギーの特徴としては、持久力・忍耐力を高め、ひとつの目標を達成するための強さを与えるイメージです。
意思や精神を硬化させるというよりも、滞りのない循環によって柔軟性のある耐久性をもたらし、途中で砕けることのない強靭さをサポートします。
鉱物学で見るヘマタイト
ヘマタイトは酸化鉄を主成分とした鉱物で、形状はさまざまです。
主なものでは鏡鉄鉱(きょうてっこう)、雲母鉄鉱(うんもてっこう)、腎臓状赤鉄鉱、薔薇の形をしたアイアンローズ、酸化鉄の皮膜によって虹色に輝くレインボーヘマタイトなどがあります。
この腎臓状赤鉄鉱、あるいは葡萄状の赤鉄鉱は天然のものでありながら磁性を示す稀有な種類です。
また、主要な鉄鉱石として採掘され、多く流通しています。組成はFe2O3、モース硬度は5~6.5とあまり高くありません。
火星にはヘマタイトが豊富に存在しており、火星が赤く見えるのはこの「赤鉄鉱」の色に起因するとされています。
ストーンデータ
パワーストーンの名前 | ヘマタイト(Hematite) |
和名 | 赤鉄鉱 |
運気 | 勝負運、仕事運、健康運、対人関係運、厄除けのお守り |
意味・宝石言葉 | 勝利、ひそやかに燃える思い、勇気、勇敢、自信 |
誕生石 | 1月11日、10月13日 |
色 | 黒色、黒灰色、赤褐色 |
原産地 | イギリス、イタリア、アメリカ、カナダ、キューバ、ドイツ、ブラジル、中国、インドなど |
こんな方におすすめ
ヘマタイトは勝負強さや勝利、目標の達成、願望成就に強く作用するため、スポーツ選手や経営者には特におすすめです。
スポーツ選手はヘマタイトが持つ持久力の強化や血行の促進といった恩恵も受けやすいでしょう。
ネックレスとして用いると集中力のアップなどに効果的ですが、エネルギーを強く受けすぎるため、日常的な使用にはあまり適していません。
ここぞという時以外は手首に装着すると反応や刺激も強すぎず、かつゆったりとしたパワーの循環を感じることができるでしょう。
また、意思の力を高め自信を後押しするため、勝負事でなくともリーダーシップを発揮したり、積極的になったりと何かしらの明確な行動を起こしたいときにもおすすめです。
困難な運命や過酷なトレーニングにも耐えきるパワーをもたらすため、辛い境遇にある人が用いれば、生命力を強める効果もあわせて非常に効果的です。
逆に、ゆっくりと心身を休め、深いリラックスを求めている人にはやや不向きです。
ヘマタイトの持つ効果・意味
ここでは、ヘマタイトが持つ意味についてより詳しく解説します。血液の循環や精神力の向上とは、どういった要素に由来するのかを確認しましょう。
血液にはたらきかけ、健康を促進する
ヘマタイトは血中の赤血球に特に強く作用するとされ、全身への酸素供給力が高まると昔から信じられてきました。
血行の促進によって健康的で持久力のある肉体を育み、維持するための素地が作られると言われます。
これらの効果にはすり潰した時の赤色だけでなく、血液もヘマタイトも同じ「鉄分」を主成分としていることもかかわっていると言えます。
精神的な強さや忍耐力を与え、目標達成を後押しする
前述した「血行の促進」や「持久力の上昇」が転じて、精神的な強さや忍耐力を与え、目標達成を後押しするエネルギーを持っているとされます。
一気に状況を変えるというよりも、艱難辛苦を耐え抜いて成功へとたどり着くようなイメージです。
何かひとつの目標に向かって努力している人や、苦難を乗り越えたところにある成功を掴みたい人にとってはとても心強いサポーターとなり得ます。
ヘマタイトの歴史・言い伝え
ヘマタイトは、すり潰して粉末状にすると赤色になることから、血液に深く関連し、そのはたらきを高めるものとされていました。
ヘマタイトという名も古代ギリシア語で「血」を意味する「αίμα(ハイマ・エマ)」からつけられたものです。
また、古代ローマでは止血効果が高いとされた他、ローマ神話の軍神マルス(ギリシャ神話のアレスと同一視)の加護がある石とも信じられていました。
戦に赴く前にこの石を体にこすりつけたりお守りにしたりすると、怪我をしてしまっても生きて帰ってこられるとされていたのです。
現代にも残る「健康」「勝利」「厄除け」といった力は、このエピソードにも由来しているのかもしれません。
ヘマタイトの浄化方法
ヘマタイトは鉄分を多く含むため、水や汗に弱く錆びてしまうことのあるパワーストーンです。そのため、流水による浄化は適していません。また、塩も腐蝕を起こす可能性があります。
流水と塩を除いた、日光浴、月光浴、水晶クラスターにのせる、セージやお香で燻す、音などによる浄化がおすすめです。
身に着けたあとは柔らかく清潔な布で汗や汚れをふき取るようにしましょう。
とても脆いというわけではありませんが、逆に硬度が非常に高いというわけでもありません。強い衝撃などには注意して取り扱ってください。
ヘマタイトと相性の良い組み合わせ
パワーストーンの組み合わせ | 効果 |
ヘマタイト+ブラックトルマリン | 同じ鉄を含むパワーストーン同士で相性がよく、ブラックトルマリンで浄化・純化した良いエネルギーをヘマタイトで循環させる。 |
ヘマタイト+オニキス | 生命力を活性化させ、負のエネルギーや邪気、厄を払う。持ち主の軸を安定させ勝利へ導く。 |
ヘマタイト+スモーキークォーツ | 柔軟で安定した精神的強さをもたらす。大地も含めてエネルギーの良い循環を作り出し、血に足の着いた状態にする。 |
ヘマタイト+テラヘルツ | 高い周波数を持つテラヘルツと組み合わせることで、より血行を促進し健康へ導く。 |
ヘマタイト+アベンチュリン | 深い癒しをもたらしつつ、オーラやエネルギーのデトックスに効果的なアベンチュリンと組み合わせて心身をより清らかで活発な状態に導く。 |
ヘマタイト+ルチルクォーツ | お金が集まりやすく、かつ出ていきにくい組み合わせ。金運を呼び寄せるルチルクォーツと、持久力を高めて定着させるヘマタイトで節約をサポートする。 |