ヘミモルファイトと言うと、宝石やパワーストーンというよりも鉱物としてご存知の方が多いものかもしれません。有名な漫画にも登場し、天然石としての知名度は非常に高いと言えます。
パワーストーンとしてのヘミモルファイトは、多種多様な色合いと、内部に浮かび上がる星屑や立花のようなきらめきが非常に魅力的なルースです。
古来より悪霊を祓う石として重宝されてきたヘミモルファイトについて、鉱物学的な成り立ちや特徴、おすすめの組み合わせ、浄化方法までまとめてお届けします。
ヘミモルファイト(Hemimorphite)とは
ヘミモルファイトのカラーで特に有名なのは、蛍光色のブルーです。
良く晴れた青空に星屑めいたインクルージョンが浮かんでいる様は非常に幻想的で、高い人気を誇っています。
しかし、この明るいブルーが出ることはたいへん稀で、流通しているヘミモルファイトの多くはごく淡い水色~白色です。もちろんそれらも美しい輝きを持っています。
名前の由来は、ギリシア語の「hemi(半分)」と「momr(形)」、あるいはその結晶構造を意味する「Hemimorphism(異極晶)」からとされています。
この名前が示す通り、ヘミモルファイトは「異極像」という特殊な構造を持っています。異極像とは、結晶の両端の形状が違うことを指します。
こういった複雑な構造が、ヘミモルファイトの神秘的なインクルージョンを生み出しているのです。
古くから厄除け・魔除けとして重宝され、悪霊を祓う力があると信じられてきました。守護の力が強く、持ち主をあらゆる害から守り、癒すオーラを持っています。
また、前向きな心や向上心、勤勉な努力を促すとされ、思いやりに満ちた良い状態へと導く力もあります。
内面の豊かさを醸成し、外部の悪意や害意から守る、充実した人生をサポートするパワーストーンです。
ヘミモルファイトの特徴
ヘミモルファイトは白、灰色、青色、水色、緑色、褐色、黄色など多くのカラーを持っています。
いずれも内部には結晶の形状による複雑な輝きが生まれ、雲や雪の結晶、星屑のように繊細にきらめきます。
最大の特徴は和名の由来にもなっている「異極像」の構造でしょう。結晶の両端で形が違う、不規則なようでいて規則的な構造がヘミモルファイトの模様を生み出しています。
この構造が特性に影響しているのか、外部に対しては強い魔除けになりつつ、持ち主の内面は優しくあたたかなものに育てるという、ニュアンスの異なる効果を併せ持っています。
どちらのオーラも強すぎるということはなく、とても柔らかい反応を示すパワーストーンです。
鉱物学で見るヘミモルファイト
異極像を示す代表的な鉱物がヘミモルファイトです。和名も「異極鉱」であることから、この構造を持つ鉱石があまり多くはないことがわかります。
ヘミモルファイト以外で異極像を持つ石で有名なものは、トルマリン(電気石)です。ただしこちらは全てが異極像を示すものではありません。
常に異極像で生成されるヘミモルファイトは、やはり少し特殊な鉱物と言えるでしょう。
具体的な形は、柱板状の結晶の片方が尖り、他方が平らになっているというものです。魔除けと優しさを育むエネルギーを顕著に表していると考えられます。
別名カラミン(ケイ酸亜鉛鉱)とも呼ばれ、同時に産出することの多いスミソナイト(菱亜鉛鉱)との混合物であった場合はガルマイと呼ばれます。
スミソナイトとはよく似ていて間違われることもありますが、希塩酸もしくはブラックライトを用いると見分けることができます。
希塩酸でスミソナイトは炭酸ガスを出し、泡立ちながら溶けますが、ヘミモルファイトは泡を出しません。
また、ブラックライトを当てるとスミソナイトはピンク色に変化しますが、ヘミモルファイトは変化しません。
組成はZn4[(OH])2 | Si2O7] ・ H2Oで、モース硬度は4.5~5です。あまり硬度が高くないため、繊細な加工は難しいとされています。
ストーンデータ
パワーストーンの名前 | ヘミモルファイト(Hemimorphite) |
和名 | 異極鉱(いきょくこう) |
運気 | 魔除け、厄除け、学業成就、対人関係運、仕事運、願望成就 |
意味・宝石言葉 | 守護、癒し、幸福感、解放、勤勉 |
誕生石 | 5月11日、11月6日、12月8日 |
色 | 無色、白色、青色、帯緑色、帯黄色、淡青色、灰色、褐色 |
原産地 | メキシコ、アメリカ、ブラジル、ナミビア、コンゴ、中国 |
こんな方におすすめ
対人関係にトラブルを抱えている人や、環境からストレスを受けている人にうってつけのお守りです。
それらを祓う魔除けの力もあまり攻撃的なものではないため、バッサリとストレスの原因との縁を切りたいわけではないときに身に着けるとよいでしょう。
また、なにかを初めても長続きしない、つい三日坊主になってしまうという人にもおすすめです。ヘミモルファイトのオーラは柔軟に、無理なく物事を続ける勤勉さをもたらします。
コツコツと続けてきたことに迷いが生じたときにも、優しく迷いを払って背中を押してくれるでしょう。
同時にそのための障害からも守り、誠実な努力を実らせる手助けになります。
良い意味で現実的、身の丈に合った思考や視点へと促すため、地に足のついた歩みへと近づくことができます。
孤独感に悩んでいる人も、ヘミモルファイトの温かでポジティブなエネルギーを受け、また自分自身が社会の中でどこにいるかを冷静に理解するため、自分は一人ではないと感じることができるでしょう。
ヘミモルファイトの持つ効果・意味
ヘミモルファイトの持つ効果や意味について、項目を分けて解説します。ここまでで説明したことも含め、改めて確認してみましょう。
周囲の悪意や、持ち主を操ろうとする意思から守る
トラブルや障害そのものからも守りますが、ヘミモルファイトが特に魔除け・厄除けの力を発揮するのは他人の悪意や害意に対してです。
そういった持ち主にストレスを与える事柄から柔らかく包み込み、ヴェールで覆うように守ってくれます。
また、それが明確な悪意でなくとも、持ち主の心身に沿わないものから自然と遠ざけてくれます。環境から受ける慢性的なストレスなどがそれにあたります。
リラックス効果も高いパワーストーンなので、一息ついて癒されたい時に最適です。
向上心と勤勉さを与え、社会的な自覚を優しく促す
ヘミモルファイトは温和な教師のように、持ち主の背中を押します。物事をコツコツと続ける勤勉さをもたらし、誠実な努力のできる向上心を育みます。
また、自分が社会の一員であるという自覚をそっと与えるため、孤独感の緩和と同時に、良い責任感を持つきっかけにもなってくれるでしょう。
適度な責任感は、人間のポテンシャルを引き出すために重要なものです。それでいて結果や成果に執着しすぎず、穏やかに前進し続けられるような効果を持っています。
肉体の痛みの緩和や減量にも効果的
癒しのオーラが強いため、肉体に痛みを覚えている時にもそれを緩和する効果があると言われています。
魔除けの力は痛みを増加させるようなアクシデントも遠ざけてくれるでしょう。
また、継続した努力を促すため、ダイエットのサポーターとしても適しています。
現実的な目標設定の力と、凝り固まった思考をほぐし柔軟に対応する力も減量の目標達成に一役買います。
ヘミモルファイトの歴史・言い伝え
古くから悪霊を祓うと信じられ、魔除けのお守りとして用いられてきました。
守護の力が強いため、厄除けだけでなく、スピリチュアルな領域に対するバリアとしても重宝されたようです。
一方で、メジャーなブルーカラーのものは悪霊を祓うためにはあまり用いられず、そういったアグレッシブな魔除けとしてはブラウンカラーのヘミモルファイトがしばしば使われたとの説もあります。
カラーによって持つエネルギーやはたらきが変わる、わかりやすい例と言えます。
ヘミモルファイトの浄化方法
ヘミモルファイトは水や紫外線に弱く退色・変質のおそれがあるため、月光浴、セージやお香で燻す、水晶クラスターにのせる、音による浄化をおすすめします。
塩もできれば避けた方が無難です。身に着けたあとは、清潔で柔らかい布などで汚れをふき取るようにしましょう。
衝撃に弱いため、取り扱いにも注意をしてください。
ヘミモルファイトと相性の良い組み合わせ
パワーストーンの組み合わせ | 効果 |
ヘミモルファイト+カーネリアン | よりポジティブでエネルギッシュな活力を与え、目標に向かって前進させる。感情のコントロールがしやすくなる。 |
ヘミモルファイト+ラピスラズリ | 魔除けの効果が高まる組み合わせ。持ち主に勇気を与え、一歩を踏み出す手助けをする。 |
ヘミモルファイト+アメジスト | 冷静に物事を見つめ直し、誠実な努力へと促す組み合わせ。大事な場面でも落ち着いていられるようにする。 |
ヘミモルファイト+アイアゲート | 強力な魔除け。突然のアクシデントや不運を回避しつつ、他人の悪意から優しく守る。 |
ヘミモルファイト+インカローズ | 良いパートナーと出会いやすくなる組み合わせ。インカローズで出会いを引き寄せ、ヘミモルファイトでしっかりと相手を見極める。 |
ヘミモルファイト+プレナイト | 洞察力や本質を見抜く力に加え、周囲の邪気を払うことで物事に集中しやすくなる。ビジネスや学業に最適の組み合わせ。 |