黒曜石の和名でも知られるオブシディアンは、黒や灰色の中に不思議な光彩を宿した神秘の石です。
黒いパワーストーンに共通している守護の力で強力な魔除けにもなり、困難に打ち勝って前進し物事を解決に導くお守りとしてもうってつけのパワーストーンです。
今回は、オブシディアンについての鉱物学的な解説もまじえつつ、基本データや効果・特徴、おすすめの使用法、浄化についてもまとめてお届けします。
オブシディアン(Obsidian)とは
オブシディアンは、酸性の溶岩が熔融し冷却されることで生成されるもので、実は厳密には石ではなく天然ガラスの一種です。そのため特徴的な漆黒はガラス光沢を持ち、構造も非晶質で内部に結晶構造を持ちません。
ガラスの一種ということもありあまり頑丈ではありませんが、断面が非常に鋭く、古く石器時代には矢じりや刃物として用いられていました。
そういった日常の道具としても親しまれる一方で、神秘の力を秘めているとも信じられ、神事や儀式においても多く用いられたとされています。
ブラックカラーのパワーストーンには概ね強い守護の力がありますが、オブシディアンも例外ではありません。他者の悪意やネガティブなエネルギーを跳ねのけ、持ち主を守り、強い心を育みます。
またしっかりと物事に向き合い、困難を乗り越えて正しい選択を貫く力も与えます。
ネガティブな気持ちに陥りやすい、周囲の意見に振り回されて自分自身を見失ってしまいがち、という人には意思の力を強め洞察力を高めるオブシディアンはうってつけです。
陰陽を映し出す鏡とも言われ、本来の自分を取り戻す手助けもしてくれます。
また、持ち主のマイナスエネルギーを浄化する作用はもちろん、石自体にも自浄作用があるため手入れがしやすく、取り扱いも比較的簡単です。
オブシディアンの特徴
漆黒のカラーに浮かび上がる複雑な色が特徴的です。白い斑紋が見られるものは「スノーフレークオブシディアン」、内部の酸化鉄が発色して赤茶色に見えるものは「マホガニーオブシディアン」と呼ばれます。
また、熔融溶岩が固まってできた天然ガラスという性質上、内部には微小な気泡が含まれています。
その気泡が光の反射を発生させ、角度によってイエロー、ゴールド、グリーン、ピンクなど様々な色に見えるものもあり、これは「レインボーオブシディアン」と呼ばれています。
こういった多様なカラーの輝きは、同じ漆黒の石であるオニキスなどには見られないものです。
さらに、負のオーラを跳ねのける守護の力だけでなく、未来や物事の本質を見通す「心眼」の力があるとされ、それに向かって前進させる強力なブースト効果をもたらします。
非常に直接的なエネルギーで、ある意味では攻撃的とも言えるため、対人関係のトラブルを解消する際に用いるのであれば組み合わせなどに注意が必要です。
そんなオブシディアンは、世界各地の火山地帯でしばしば産出され、手に入れやすいパワーストーンです。
鉱物学で見るオブシディアン
火山活動によって生成される、熔融溶岩からできる天然ガラスで、厳密には鉱石ではありません。別名の「グラス・ラーヴァ(Glass lava)」は、そのまま溶岩のガラスという意味です。
火山の噴火によって噴出した溶岩が地表・空中で急速に冷却され、固まることで生成されます。このとき、気泡やごく小さな結晶(マイクロライト)が含まれることで、様々な色合いを見せるようになります。
内部の気泡やマイクロライトの大きさに差があると、光の角度によって虹色に輝く「レインボーオブシディアン」になります。
スノーフレークオブシディアンのような白い斑紋は、固まる間に脱ガラス作用が起きると発生します。この時白い部分は石英の一種、クリストバライトというものに変化しています。
稀に花のような紋様を浮かび上がらせることもあり、「フラワー・オブシディアン」と呼ばれることもあります。
叩くと貝殻状に砕け、非常に鋭い断面を見せます。モース硬度が5とあまり硬くないため砕きやすく、かつ鋭利な形状に割れるため、古代には石器の材料として多く使われてきました。
組成はSiO2+CaO、Na、K他様々な物質を含みます。ガラスのため比重は天然石よりも比較的軽く、非晶質を示します。
ストーンデータ
パワーストーンの名前 | オブシディアン(Obsidian) |
和名 | 黒曜石(こくようせき) |
運気 | 仕事運、対人関係運、悪縁切り、恋愛運、魔除け・厄除け |
意味・宝石言葉 | 集中力、潜在能力、才能の開花、不思議、 |
誕生石 | 7月6日 |
色 | 黒色、灰色、褐色、褐緑色、緑色、黒地に赤褐色など |
原産地 | メキシコ、日本、アメリカ、カナダ、アイスランド、ニュージーランド、パプアニューギニア、ハワイ、ペルーなど各地火山地帯 |
こんな方におすすめ
オブシディアンは、ネガティブなエネルギーや周囲の悪意、対人関係のトラブルに悩まされている人におすすめです。
特にそういった事柄によって、本来自分のありたい姿や未来のビジョンが曇ってしまっているときには高い効果を発揮します。
オブシディアンの魔除け・厄除けやトラブルを解消するエネルギーは、古くから武器に使われてきたこともあってアグレッシブなものです。
バッサリと縁を切りたい人がいるときには単体でも問題ありませんが、穏便な解決を望む場合には他のパワーストーンと組み合わせることをおすすめします。
本質を見抜く力があるため、自分自身を取り戻し選びたい未来を確かなビジョンにすることはもちろん、友人や恋人の本当の姿や本音が知りたい時にも効果的です。
また、ひとつの目標に向かって背中を力強く押す効果があるため、今の自分を変えたい、叶えたい願いがある人のお守りにも適しています。誘惑やマイナスのオーラを断ち、望む場所へと導いてくれるでしょう。
オブシディアンの持つ効果・意味
オブシディアンの持つ効果や意味について、いくつかの項目に分けて解説します。ここまでご紹介したものも含めて、改めて確認してみましょう。
マイナスのエネルギーを跳ねのける魔除けの力
オブシディアンは、他者からのストレスや悪意、害意のバリアになるのはもちろんのこと、自分自身の内側にある迷いや誘惑、慢心をも取り払う強いオーラを持ちます。
こと人間関係のトラブルや、切ってしまいたいけれど思いきることができない悪縁を解消するときに効果的です。
本質を見抜き、目標へと突き進むための推進力
オブシディアンは、自分が目指している未来の像を明確にし、そこに向かって進む勇気と推進力をもたらします。逆境にある人にとっては、魔除けの力も相まってとても心強いお守りとなるでしょう。
また、内側にこもった負のオーラを浄化する作用があるため、家の中に引きこもりがちという人の滞ったエネルギーを外に吐き出す助けにもなります。
エネルギーバランスを調整する
ネガティブなエネルギーを防ぎ、己の内側にあるオーラを浄化するということは、エネルギーを良い状態に調整してくれるということです。
オブシディアンは情緒が不安定になりがちな人を安定させ、落ち着いた心身へと導きます。雑念が消え、集中力を高めるはたらきも持っています。
オブシディアンの歴史・言い伝え
有史以前から武器や日常生活の刃物によく使われ、親しまれていました。
また、有史以後に改めて鉱物学的見地から発見された当時は「オブシアナ」と呼ばれていて、名前の由来は発見者であるエチオピアの「オブシウス」氏とされています。
博物学的にも歴史の長い石で、多くの文献にその記述が残っています。
オブシディアンの浄化方法
天然ガラスであり非晶質のため、水や紫外線に強いパワーストーンです。ただし、変質のおそれがあるため塩は避けましょう。
日光浴、月光浴、水晶クラスターにのせる、セージやお香で燻す、流水、音による浄化はいずれも適しています。
衝撃に弱く割れた場合は非常に鋭利な形状になるため、取り扱いには注意しましょう。
オブシディアンと相性の良い組み合わせ
パワーストーンの組み合わせ | 効果 |
オブシディアン+オニキス | 潜在能力を引き出し、強力な魔除けにもなる。 |
オブシディアン+ラブラドライト | 前向きなエネルギーと明確なビジョンで目標達成に近づける。 |
オブシディアン+インカローズ | 周囲の邪気を払い、本当に大切にしたい関係を修復し確かなものにする。行動力を与える。 |
オブシディアン+カルセドニー | カルセドニーの優しいエネルギーがオブシディアンの攻撃性を緩和し、本質を明らかにしつつ関係を修復し繋がりを強める。 |
オブシディアン+カルセドニー+アメジスト | 上記の組み合わせに、アメジストの優れたバランス調整力と冷静さを加えたもの。 |
オブシディアン+ガーデンクォーツ | 問題や課題を明確にし、解決に向かって着実に歩ませる。ガーデンクォーツの地に足の着いたオーラがオブシディアンを安定させる。 |
オブシディアン+モルダバイト+ラブラドライト | 宇宙と地球のエネルギーを高める組み合わせ。自分自身に定められた運命へと立ち向かう変革の力を与える。 |
オブシディアン+ダルメシアンジャスパー | 一気にブーストするのではなく、根気が必要な勝負への強さを与える。もうひと頑張りというときのお守りに最適。 |
オブシディアン+タイガーアイ | 持ち主のエネルギーを安定させ、自制心を育む。余計なエネルギーをカットするため、疲れやすい時にもぴったり。 |
オブシディアン+スモーキークォーツ | 持ち主に安定感を与え、周囲からの影響を受けにくくする。 |